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MINOLTA AUTO ROKKOR - PF 55mm F2.0 分解 ヘリコイドグリス入替え



 
MINOLTA AUTO ROKKOR - PF 55mm F2のフォーカスリング(ピントリング)がスカスカだったのでヘリコイドグリスを入れ替えました。

正しい手順かは分かりません。自分なりの解答です。無限遠も問題なく出ています。


ではスタートです。

このレンズは、ヘイコイドグリスを入れ替えるだけであれば、銘板を外す必要はありません。



フォーカスリングを無限遠(∞マーク)に合わせます。

今回は無限遠に合わせても特に意味はないのですが、分解スタート時の儀式みたいなものです。

無限遠の場所はレンズが一番短い状態です。


ピント位置と直線上のマウントリングの場所に印@をつけます。

この後、フォーカスリングも被写界深度リングも外してしまうので、このマークをつけておかないと、レンズのピント位置がわからなくなってしまいます。

被写界深度リングは、作業中に無意識に動かしてしまったりするので位置特定の印に不向きです。とくにこのレンズは指標に使いにくいです。

今回は外しませんが、マウントリングと絞りリングを外したときの状態です。

被写界深度リングの赤いポジションが、絞り用クリック溝の右から四番目となるように、各リングが固定されています。

レンズを分解しまくって位置関係がわからなくなった場合の参考にしてください。

レンズを分解するときは無駄に写真をいっぱい撮っておくのが重要です。


フォーカスリングを最短撮影ポジションに合わせます。レンズが最も長くなるポジションです。


フォーカスリング固定ネジを全部外します。

フォーカスリングの上半分が自由に動くようにしたら、写真のように上に持ち上げます。

ピント位置に当たる部分で、下側のフォーカスリングにケガキ@を付けます。ケガキ@は最短撮影時のピント位置です。

ケガキ@と印@は同一直線状になります。




フォーカスリングの上半分と下半分の間を見ると、大きめのネジが三本見えます。

今回のヘリコイドグリス入替えでは使いませんので、外さないようにしてください。

被写界深度リング固定ネジを全部外します。
※ 左写真はすでにネジを外した状態となっています。

被写界深度リングがフォーカスリングの動きを制限しているので、被写界深度リング固定ネジを外した後は、被写界深度リング、フォーカスリング共に制限なく動きます。


フォーカスリング下半分に付けたケガキ@を、印@から一本目のマウントネジまで、反時計回りに動かします。




さらに、フォーカスリング下半分に付けたケガキ@を印@から二本目にあたるマウントネジまで反時計回りに動かします。

この間に、レンズユニットがマウント内の直線キーから外れます。

二本目のマウントネジのところに印Bをつけます。

印Bがレンズユニットを外した後、再度はめ込むときのマウント側の目印になります。


レンズユニットを時計回りに動かして、マウント側と外れる瞬間の場所に印Aをつけます。

印Aが再度レンズユニットをはめ込むときの、レンズユニット側の目印となります。

このヘリコイドははめ込める場所が12か所あるので、目印を忘れるとめんどくさいことになります。

印を忘れた場合は、二つ下の写真を参考にしてください。

印Bとケガキ@と印Aは直線上となります。


レンズユニットが外れました。


外したレンズユニットを観察すると、印A位置が直線キーガイドの場所に当たることが分かります。

印Aをつけ忘れたときは、これを参考にすればよいでしょう。


さらにレンズユニットを観察すると、絞りを動かす絞り連動ガイドが二つあることが分かります。



フォーカスリング下半分を反時計回りに動かして、マウント本体から外します。

このとき被写界深度リングも外れます。

各リングのヘリコイドを清掃します。

ヘリコイドグリスはベンジンを使えばすぐに溶かせます。私はベンジンが手元になかったので、ジッポオイルを使用しました。

ヘリコイドの溝のゴミは、歯ブラシを使えばすぐにきれいになります。

綺麗になったヘリコイドに新しいヘリコイドグリスを塗ります。私は先の小さな綿棒で塗っています。

ヘリコイドの溝を新しいグリスでコーティングするような感覚で塗ります。塗りすぎないように注意しましょう。決してたっぷり塗ってはいけません。


再組み込みです。

マウント側に被写界深度リングを乗せて、フォーカスリング下半分を時計回りにねじ込みます。

最後までしっかりねじ込むと、ケガキ@が目印Bよりも少し進んだ場所になっていると思います。


上の写真の場所から、フォーカスリング下半分を反時計回りにケガキ@が初めて印@がくる場所まで動かします。

ケガキ@と印@が直線上です。


上の位置かから、フォーカスリング下半分を反時計回りに一周回します。

ケガキ@と印@が二度目の直線上ですね。


さらにフォーカスリング下半分を、反時計回りにケガキ@が印Bにくるように動かします。印@から15°ぐらい動かした感じでしょうか。

この場所が、レンズマウントを被写界深度リングにねじ込むときの、正しい被写界深度リングの位置になります。

レンズユニットをねじ込むための準備ができました。


上の状態のときの、マウント側絞りリングと被写界深度リングの隙間がこのような感じです。


フォーカスリング下半分に、フォーカスリング上半分をのせます。

ケガキ@がフォーカスリング上半分で隠れてしまいますが、ケガキ@の場所は印Bの直線上です。


ケガキ@と印Bは直線上にあるので、そのどちらかとレンズユニットの印Aを合わせて、レンズユニットを反時計回りにねじ込みます。

ねじ込みずらいですが、一度入ればスルスルって入ります。

少しねじ込んだら、マウント側に視点を変えます。


マウント側を覗いて、レンズユニットの直線キーガイドがマウント側の直線キーにはまるように、レンズユニットやフォーカスリング下半分を回転させて位置調整します。


直線キーガイドが軽く直線キーにはまったら、絞りレバーを大きく動かして、マウント側の絞り連動ガイドがレンズ側の絞り連動ガイドに引っかかるようにします。

レンズユニット側の直線キーガイドと絞り連動ガイドが、マウント側の直線キーと絞り連動ガイドにはまったのを確認したら、フォーカスリング下半分を時計回りに動かして、最後まで締め込みます。


フォーカスリング下半分を最後まで締め込んだとき、フォーカスリングの無限遠の場所(∞マーク)が印@の場所(レンズのピント位置)を少し超えて止まっていれば、正しくレンズユニットがねじ込まれています。


無限遠の場所(∞マーク)が印@(レンズのピント位置)をもっと超えてしまう、あるいは、印@(レンズのピント位置)の手前になってしまう場合は、レンズユニットのはめ込み位置がずれています。

レンズユニットのはめ込み位置は12か所あるので、正しい場所から少しずれると(1cmぐらいずれると)、別の間違った場所ではめ込んでしまうことになります。



レンズユニット下半分を反時計回りに少し回して、無限遠(∞マーク)の位置を印@に合わせます。

被写界深度リングの中心(三角のマークの場所)が無限遠(∞マーク)と印@の直線上にあることを確認します。

フォーカスリング上半分と被写界深度リングのネジをすべて固定します。

以上で完成です。


レンズが無限遠のときの、マウント側の後玉の出っ張りはこのような感じです。

後玉が出っ張りすぎている、あるいは、後玉がへっこんでいる場合は、レンズユニットをねじ込むとき、被写界深度リングを正しい場所にセットしたつもりが、一周多く回していた、一周少なく回していたなど、間違っていることが多いです。









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