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錦鯉 穴あき病



錦鯉の穴あき病とは


穴あき病とは、愛鯉家がもっとも厄介な病気の1つだと思っている細菌感染症です。

魚の筋肉が溶解し体に丸く穴が開くような症状をきたす病気です。進行すると治った後も幹部がケロイド状となり、観賞価値を著しく落します。

昨今、穴あき病がますます強くなってきて、一般的な薬では効果がないのが現状です。従来の水産用薬品では効果のないものを、新穴あき病と呼ぶことが多いですね。新穴あき病はエルバージュ、パラザンDでは治りません。

穴あき病と新穴あき病では症状が似て異なるような気がします。

新穴あき病は、劇症的な症状(進行が早い)を見せるのですが、最近は一般的な穴あきでも薬が効かない場合が多いように思います。いや自分が旧穴あきと思っているものも新穴あきなのかもしれません。今となっては新も旧もないような気がしてなりません。 とにかく穴あきになったらピンチなのです。伝染性もありますので、基本的に1匹が発病したときには、すでに同じ池にいるほかの鯉も感染していると考えたほうが良いでしょう(キャリア鯉・保菌鯉となっている)。

感染と発病は違うので発病しなければ大丈夫(キャリア鯉ままであれば、、)と考え、発病させずに飼育できれば、あとは鯉の自己免疫力が何とかしてくれると信じたいです。

穴あき病は人間の風邪と同じで、菌さえいれば何度でも感染、菌が増えれば発病すると考えています。


一旦発病した鯉は宿主となってじゃんじゃん菌を撒き散らしているので、キャリア鯉も発病する可能性が高くなってしまいます。かならず隔離しましょう。こまったことに、結構見つけにくい病気なので発病した鯉を発見したときには他のも発病していることが多いです。

通常、新穴あき病が自宅の池や水槽で自然発生することはますないでしょう、購入した鯉がキャリア鯉でそこから発病、蔓延したと考えるのが普通です。購入時にはくれぐれも気をつけましょう〜。

また、穴あき病になった場合は、一度、水が悪くなる原因がないか考え飼育環境を見直して見るべきです。

私は、その昔、新穴あき病で1度全滅させてしまった経験があります。(T_T)
池で釣った天然の真鯉でさえ死にました。



原因とされる菌


穴あき病の原因菌とされているのはエロモナス菌です。
エロモナス菌には、運動性のエロモナス・ハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)と非運動性のエロモナス・サルモニシダ (Aeromonas salmonicida)がいます。

運動性の   エロモナス・ハイドロフィラは、松かさ病、赤斑病、腹水、
非運動性の エロモナス・サルモニシダは、 穴あき病、
新穴あき病は 非運動性のエロモナス・サルモニシダの耐性菌と思われます。

エロモナス菌は普段から水中に生息している常在菌ですので菌を全滅させるようなことは不可能です。

通常はさほど強い病原性もっていないようですが、エロモナス属菌の特徴のは多くの病原性と関係したり,環境への適応に関係があると考えられている毒素,酵素を菌体外に多数産生(主なものとして,溶血毒,プロテアーゼ,リパーゼ, キチナーゼ,ヌクレアーゼ,アミラーゼ,β-ラクタマーゼ)することのようなので、いったん猛威を振い始めると歯止めがきかなくなるのでしょう。プロテアーゼなどは蛋白質分解酵素ですから宿主の組織や生体防御能を破るには最適です。

常在菌ですから、それだけで発病するとは思えにくいです。やはり池の中の環境が悪いために、鯉が体調を崩すして免疫力が落ちたときであるとか、エロモナス菌が増えやすい環境が池の中にあるために、菌体が異常に増えたときが発病の危険がもっとも高いと考えられます。
エロモナス菌に関係する病気は、ある条件が重なったときに発病する条件性の病気だと考えててよいと思います。


対処方法


一度発病すると、進行が早いですから、早期の治療が必要となりますが、残念ながら、現在の水産用治療薬では、なかなか治りづらいのが現状です(パラザン等)。ですので、何よりも予防が大切です。

エロモナス菌対策としてもっとも効果的なのは良い水質を保つことでしょう。(これが難しい〜。)
それこそが、エロモナス菌を増やさない環境です。鯉の入れすぎ、餌のやり過ぎ等は、エロモナス菌を増やす要因です。

また良い水質こそ、鯉を元気にし病気にかかりにくい体質作りにかかせないものです。
感染鯉を持ち込んだ等でなければ、穴あきが発病するということは飼育者による人災のようなものです。

たとえ、殺菌剤で池を消毒しても、一時的には良いかもしれませんが、池(飼育環境)に原因がある限り、早かれ遅かれ常在菌であるエロモナス菌はまた増えてしまいます。必ず原因を突き止め改善しましょう。そうでない限り、エロモナス菌から逃れることは不可能だと考えます。

万一、感染発病してしまった場合は、普段お付き合いのある鯉屋さんに相談されるのが良いとおもいます。


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