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コイパーク流 錦鯉飼育の病気治療法


昔の苦い思い出


初めて錦鯉を飼いはじめたのは90cm水槽からでした。しばらくは何事もなく順調だったのですが、鯉を増やしたりしているうちに、どこから持ち込んだのか1匹が穴あきになってしまった。その後、どんどん他の錦鯉にうつっていって、ほとんど全滅状態となってしまいました(真鯉まで死んでしまいました)。劇症的な症状で手のほどこしようがなくとても飼育者として精神的にも辛い状態でした。(当時は、知識も何にもなかったし、、何をどうして良いかもわかりませんでした。)

それ以来、早期発見、早期治療にに努めるようにしています。実際、病気はひどくなってからはなかなか治しにくいです(人間も同じですよね)。重傷でも1匹だけ隔離して治療すれば効果は上がると思いますが、そんな設備もないし手間がかかりすぎでしまう(鯉にはかわいそうだけど)。それよりは早期発見!!。それ以降、ひどい病気にはかかっていませんが、水槽の場合はあっというまに広がるので、なるべく病気を持ち込まないように注意しています〜。



メニュー

Q01.鯉にいつもより元気がないように感じるとき Q06.顔、身体に炎症が出ている
Q02.鯉が明らかにボーと元気のないとき Q07.身体に寄生虫がいた!
Q03.鯉が尾ぐされ(ヒレぐされ)になった場合 Q08.身体をこすりつける
Q04.鯉が白っぽく見える場合  

Q05.鯉の鱗が持ち上がった

 

コイパーク流 病気・治療法!?


私の自己流治病気!?療法です。自己流ですので正しいかどうかは分かりません〜。しかも私のメインは最大でもFRP400Lでの飼育ですので、池とやり方が違う場合もあるかと思います。自己流という意味を良くご理解のうえごらんください〜。よろしくです。

「水がよければ、鯉はまず病気にならない」というのが、私の基本の考え方です。鯉は強い生き物だということです。反対に水が悪ければ、どんな鯉でも病気になるということです。鯉は強いですから、たぶんですけど、そういう環境では、他の魚でも病気になると思います。


Q01.鯉にいつもより元気がないように感じるとき。
  濾過槽を洗って水換えします。それで普通は復活してきます。元気が戻るまでは餌は少なめにしてください。少なめって!?普段の3分の1以下です。この状態のときに気がついていればひどい病気になるようなことはまずないです。

Q02.鯉が明らかにボーと元気のないとき。
 

とりあず濾過槽を洗って水換えします(生活場所の水質の改善です)。これで復活することも多いです。しかし、これはピンチかもと感じたら、隔離して水道水のカルキを抜いたものに、0.5%の塩をいれて(1tの水量なら、5kgの塩)、3日ほど餌をあげない状態で様子をみます。その後、元気が出てきたように感じたらほんの少し気持ち程度餌を与えてみます。食べるようであれば大丈夫。徐々に餌を増やしていきます。餌を与えるわけですので、水の悪化には気をつけてください。水がわるくなったら水換えしてください。これはよさそうだとなったら、鯉をもとの水槽や池に戻します。

水槽全体が元気がない場合は、濾過槽をあらって水換えして、水槽に0.5%となるように塩をいれて3日ほど餌を与えずに様子を見ます。元気がでてきたら、徐々に餌をあたえます(最初は全部の鯉に餌がいきわたる必要はありません、その日食べ損ねた鯉でも次の日は食べれるでしょう、何日かたっても食べられない場合は、ほかの鯉に比べてまだ元気が回復していない可能性があるので、上記のように鯉だけ隔離して塩分浴させたほうが良いです。)水が汚れてきたら水換えするわけですが、そのとき水だけ足して塩分濃度をさげていけばよいかと思います。


Q03.鯉が尾ぐされ(ヒレぐされ)になった場合。
  尾ぐされになる原因は水が悪くなることです。ですので水を入れ替えて濾過槽を洗って(綺麗に洗う必要はありません〜。ジャバジャ〜で良いです。)、メチレンブルーを使用します。粉末であれば1g/tになるように入れてください。水溶液であれば、説明書に書いてあるとおりに入れて下さい。
メチレンブルーを使用すると水草が枯れます。マラカイトグリーンを使用すると水草はかれません。マラカイトグリーンは劇物なので取り扱いには注意してくださいね。ほんの少量、粉末であれば0.2g/tです。

濾過槽を循環させていると、ろ材がメチレンブルーやマラカイトグリーンを吸着してしまいますので、半日だけは濾過槽の循環を止めます。これらの薬は光で分解しますから、私は通常は夜に入れて、朝まで濾過槽の循環を止めておきます。朝から濾過槽の循環を再開させます。3日ほど薬浴すればOKです。バサバサになった患部が白くなってきたら治ってきている証拠です。安心してください〜。薬浴中はエアレーションは忘れずに。

Q04.鯉が白っぽく見える場合。
 

この状態を鯉が風邪を引いたと表現することが多いです。風邪引きは鯉の体表やエラに寄生虫が繁殖して起こります。この場合の寄生虫は主に、原虫(原生動物)にぞくする繊毛虫類、鞭毛虫類、です。原虫の駆除には、過マンガン酸カリウム(2g/t)を使用します。一旦注水をとめて夜に入れて入れっぱなしです。次の日からは注水してればそのまま注水を開始してください。徐々に色が薄くなっていくと思います。

薬品が無い場合は、これらの寄生虫はヌメリの中で鯉にくっついているようなものですから、ヌメリをとってしまえば、寄生虫もバイバイ〜となります。なので、3%食塩水を作って、その中に鯉を入れます。で、洗いましょう。鯉も高濃度の食塩水には耐えられず横になってきたら限界です。すぐ取り出してください。これでヌメリが取れます。ただ、ヌメリが取れると鯉が無防備状態になりますから、隔離して0.5%食塩水を作ってしばらくはそこで飼育させます。ヌメリが戻ってこれば、もとの場所に戻しても大丈夫です。

意外とよく効くのが、マゾテン20%液(2.5ml/t)+マラカイトグリーン(0.2g/t)の組み合わせです。過マンガン酸カリウムですと、ろ過バクテリアまですべて消毒されますので、水のダメージが大きいですが、マゾテン+マラカイトグリーンはそこまで濾過槽に負担をかけないので、水をゼロから作り直さなくて良いという利点があります。


Q05.鯉の鱗が持ち上がった。
  良くあるのが体の一部分の鱗が持ち上がることです。鱗の根元に水が溜まっているんですよね。穴あき病とはまた違う症状です。原因はいま一良く分からないのですが、何かの感染症なのだろうと思います。ブドウ球菌類という話もあるようですが定かではないです。

この場合、幹部の鱗をとってしまって、そこにメチレンブルー水溶液を塗りこむと治りが早いです。

1.親指で鱗を取ります。

2.幹部の鱗を綺麗にはがせました。

3.メチレンブルーを塗りこみます。
作業自体は簡単ですが、そのままでは鯉が暴れて治療ができませんので、鯉を麻酔で眠らせる必要があります。メチレンブルーを塗ったら、そのまま池に返せばよいです。幹部にメチレンブルーがしばらく沈着しているとおもいます。鱗は綺麗に生えてくるのでまず問題はないはずです。


ミニ鯉さんの様子。

1.治療直後

2.治療後4〜5日後

3. 鱗再生中

4. ほぼ治り中

3の紅白さんの肩口がただいま鱗が再生中です〜。
4も3と同じ紅白さんですが、右面です。中央部分色の変わっている分が治ったところです。綺麗に鱗が生えそろっています。鱗に厚みが出てこれば、周りとの色の違いも分からなくなり完治となります。

原因はいろいろあるのでしょうけど、膿んでしまったら膿みを取った方が治りは良いです。何もせずにいるとどんどん広がる場合もあります。上の写真は薬浴はしていません。人間でも化膿したら、ほったらかしにしておくことはまずないのと同じです。真皮(皮の部分、実際には鱗も真皮にあたる)が痛まなければ、鱗は綺麗に生えそろいます。同じ場所の鱗を取り続けると銀が吹く(銀鱗の鱗のような感じ)場合がありますが、成長すれば消えていきます。

Q06.顔、身体に炎症が出ている。
 

炎症の様子@

炎症の様子A
 

鯉は体調不良でも(充血がおこるため)、寄生虫の寄生でも、細菌性の感染症でも、なんでも体表が気色悪かったら、(池なら)底や壁等こすります。手のない鯉には、それしかできません(かわいそうだけど)。そういう状態が起こるときは、水の状態も落ち気味です。水の状態が落ちて、鯉の調子が悪くなって、各種の状態が起こるのが通常です。

ですので水も悪いし鯉も弱り気味ですし、こすって出来たキズ等に、炎症が発生しやすくなります。炎症の様子@写真の黄色く囲った部分です。このあたりに良くキズができるのですが、これはそれらの部分が出っ張っているので、こすったときに傷つきやすいのです。

上記の状態で、患部を綺麗にして、ティッシュでちょんちょんと水分を取ってメチレンブルーを塗りこんで治るギリギリの状態です。ホホはいいとしても目の上が赤危険信号点灯中です。これらが進行すれば穴あきですし、進行させなければ、ただのキズの治療で終了です。一番右の部分などは、傷口にコケが生えて緑色になっています。早期発見が大切です。進行した後治すのは大変です。口径投与の薬を食べさせたり、抗生物質を使用したり、えらいことです。ですので早期発見というのは重要なことです。普段から鯉の動きを観察しましょう。

炎症の様子A、ここまでくると相当重症です。もっと早めに発見して治療しておかなければいけません。黄色いコロニーが確認できますので、現状となってはカラムナリス菌の繁殖による腐れ病と思われます。元は鱗のキズからの炎症か、鱗が持ち上がっての炎症かわかりませんけど、ここまで進行すると治った後もキズは残ります。

あれ?っとおもってから、進行するのは意外と早いですから、気づいたら、すぐに対応することが大切です。単なるちょっとしたキズによる炎症であれば、綺麗な水(水道水のカルキをぬいたもの)に移しておくだけでも治ってきます。

年中病気が多発する池は全く水ができていませんし、他所から鯉を入れておかしくなった場合、入れた鯉だけの問題にしてしまいがちですが、あっという間に蔓延する場合は自宅池の水が出来ていない場合も多いはずです。良い水は病気を治す方向に働きますので踏ん張ります。(持ち込んだ病気の種類にもよりますけどね。)

池(泉水)で治らなくて、放流したら治る例などけっこうあるわけですから、鯉が違うのでなく水が違うのです。

毎日眺めていても発見が遅れるようであれば鯉の数が多すぎです。一人で対処できる数の鯉で飼育することも大切ですよね。大切な愛鯉なのですから。


Q07.身体に寄生虫がいた!。
 

うおじらみ

拡大
 

鯉の体に寄生虫(甲殻類)がついていた場合、すぐにとりましょう〜。上の写真はウオジラミ(ちょう)です。鯉のヒレや体表にペタって張り付いています。拡大写真を見れは分かりますが、回りに透明の膜のようなものがあり、これをヒラヒラさせて、水中を泳ぎます。エイみたいですね。これらが寄生すると、鯉がかゆがりますので、池なら身体をこすりつけたりします。こすった所がキズとなって化膿すると、炎症が一気に広かる場合もあるので注意が必要です。

これらの寄生虫は、言わば虫なので結構丈夫です。、過マンガン酸カリウムでは効きません。マゾテン(毒です)を利用して駆除しましょう。粉のマゾテンなら0.4g/tです。マゾテンも成虫と卵には効きません〜。ですので、幼虫!?幼生!?を殺すために、1週間〜10日間ごとに2〜3回繰り返して使用します。

これらの寄生虫は鯉に寄生しないと生きていけませんので、鯉が健康でヌメリが多ければ寄生される確率が下がります。くっつきたくてもツルンってね。確率が下がれば、うおじらみも生きていけないので数も勝手に減っていきます。


Q08.鯉が体をこすりつける。
 


寄生生物(原虫類、甲殻類)が鯉に寄生するとこすりつける行動をとります。鯉は手がないので、体表が気になる場合は、体をこすりつけるしか方法がないからです。ただ、池の中の寄生生物をすべて排除などできません。多かれ少なかれ池の中には存在しています。それでも普段鯉がなんともないのは、健康であれば、十分ヌメリでそれらを寄せ付けないような状態になっているからです。ここでも、健康であればという文句が付きまといます。健康がおちれば、とうぜん防ぎきれなくなって寄生されます。健康を落とすというのは、水がよくないときが多いですから、薬を入れてその場をしのぐだけでなく、よくなるような改善もしないといけません。
Q04やQ07の治療方をためしてください。

意外と忘れがちなのが、寄生虫ではないけれどこすり付けることがある点です。特に肌が充血するような場合、輸送した後とか、水が変わった場合とか、ですね。肌が充血すれば、体表が気になりますので鯉はこすりつけます。特に、春先に餌を早めに与えたりすると(しかも多めに)、内臓に負担がかかって肌に症状が出てきます。普通は充血ですけど(鯉によって目に見える程度から見てもわからないていどまで)、ひどいと部分的な立鱗になることもあります。これらもこすりつけの原因となります。ただ、こちらの場合は寄生生物が原因ではありませんから、薬をいれても意味はないですし、かえって水を悪化せて、ただでさえ内臓に負担がかかっている状態に追い討ちをかけるわけですかから、ひどい病気になるといけませんの注意が必要です。餌をキルことです。

早く餌を与えても(水温が低い時期)、きちんと消化できる温度にならないと、食べて吸収せずに出てくるだけなので、おもうほど大きくもなりませんし、それより健康を落とす原因となりやすいので、無理させるだけ損です。


続いていきます。

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